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あこがれのビフテキ 

ビフテキ

『ビフテキ』。
なんと芳醇な響きか。
今ではファミリーレストランやロードサイドのファミリー向けステーキハウスなどで当たり前のようにステーキを食べる。
ステーキを食べるということはそれほど究極のご馳走という感はない。

しかし、私がまだこどもだった40年ほど前には、ステーキを食べることなど年に1度もない大イベントであった。
と、いうか『ステーキ』という言葉すらまだ世の中で一般的ではなかった。

皆『ビフテキ』といっていた。
本来は『ビーフステーキ』だろうが、いつの間にか、誰が言い出したかわからんが『ビフテキ』といっていた。
おまけに『ポークステーキ』のことは『豚(トン)テキ』などといっていた。
つまり『ステーキ』のことを『テキ』といっていたのだ。

学校からおなかを空かせて家に帰ると決まってこどもたちは「今日の晩ご飯何?」と母親に聞いたものだったが、そんなときも母親は自慢げに『今日はテキや!』と胸を張って近所に聞こえるように大声で答えたものだ。

ただ、そんなときの『テキ』というのは決まって『豚(トン)テキ』であったけれど。

新京極の入口付近に昔からある食堂のウインドウには、いまでもその『ビフテキ』が鎮座する。
もちろんその店のメニューの中で、一番上等であることは言うまでもない。

いまだにその店の前を通ると、何となく気になって探してしまう。
別にそのメニューがなくなったとしても特に困るわけでもないし、第一その店で『ビフテキ』を注文したことなどたった1度もないのに。

よし、今度この店で「ビフテキ」を注文してみよう。
もちろん『ライス』も一緒にだ。
ワインなどという今時のものは用意されていないだろうし、もしも赤玉ポートワインなんかが出てきても困るので、飲み物は無難にビールか。

そして何よりも楽しみなのは、「ビフテキとライスとビール!」と注文したときに店主がいったいどんなかをするか、だ。

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