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きっと租界はこんなだったのだろう 

東華菜館

鴨川・四条大橋の袂に東華菜館がある。
対岸の南座、菊水とともにこの界隈の風景には欠かせないものだ。
橋の様子やそのほかの建物などは時代の変化とともに移り変わっているが、その3つの建物は戦前からこの場所を動かない。
なんでも、この東華菜館はもともと南仏料理のレストランであったらしい。その名残が玄関や外壁の至る所を飾るレリーフのモチーフとしてのこっている。タコ、魚介など南仏料理には欠かせない食材を巧みにレリーフの装飾として組み込んでいる。
そして、もう一つこの建物の売りは現役のエレベーターとしては日本最古のものが今も大切に使用されていることだ。
食事に訪れたものであれば誰でも乗ることができるので、一度足を運んでみてはどうだろう。

階上には宴会用の大小個室や写真のような広いホールがある。
エレベーターを降りてその中に一歩足を踏み入れると、そこには外界とは違った1930年代の上海や大連の租界のような時間が流れている。洋風でも中華風でも日本風でもない。そんな不思議な時間と匂いを味わえる。
もちろん料理も満足できるものだ。
コースでも7~8千円で男性でも満腹になるし、これから夏場は鴨川沿いにビアガーデンも設けられる。

私の祖父と祖母は、はるか70年も前に大連の日本人租界にあったダンスホールであの激動の時代を過ごした。ダンスホールでタンゴ・バンドのバンドマスターだった祖父は悪魔の楽器といわれたバンドネオンを操り、京都を飛び出して東京の少女歌劇団に所属した祖母と半ば駆け落ち同然に大連にたどり着いた。
慶応ボーイであったお坊ちゃまと養女に出され、親と折り合いの悪いあばずれ少女の恋であった。

きっとその頃の租界のレストランは、こんな雰囲気だったに違いない。

清純なウエイトレスの女性が中国人であることもよけいにそんな気分を助長する。

この夏は久しぶりに70年前の恋を思いながら、ここのビアガーデンにでも行ってみようか・・・・。

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