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25周年目突入前に回想 4 

5つ目の事務所は西大路五条にほど近いマンションの1室だった。
マンションは2度目であったが、1回目のマンションは独立して間無しのワンルームだったので、今回とはまったく様子が違う。
前回は住居用と言うことでごまかしながらこっそりやっていたが、今回は最初から事務所として使うという条件で探したので堂々としたものだ。

3LDKのLDを仕事場とした。残りの3部屋はミーティングルームと作業部屋と休憩室。しかも休憩室は和室なのでたたみ敷きだ。
調子に乗って小さな和箪笥2つといろり風のお膳まで買った。自宅にあったひいおばあさんから受け継いだ茶箪笥も持ち込み照明のシェードも和紙の提灯風のものにした。
ミーティングルームは書籍以外に私のミニカーのコレクションやがらくたがいっぱい並べられていて、訪れるお客さんは一様にあきれていた。
作業部屋はというと物置かというほどいろいろなものが詰め込まれていた。

そして、ようやく釣りとは縁を切れそうになっていたが、その代わりにうずうずとわき上がってきた欲望があった。

ギターと骨董とカメラである。
この事務所に引っ越すまではギターも3本程度であったが、あるギターを1本買ってからというもの次から次へと増えるわ増えるわ・・・。
4つ目の事務所の終盤から中学時代からデュオを組んでいる相棒と15年ぶりくらいにライブハウスというものにでるようになったので(とはいっても小さなプライベートライブ的なところで現在はもう無い北白川のCup of Sunという店)思い切った衝動買いというものをしたのがきっかけだった。結局5つ目の事務所にいる間に15本ものギターが増え、事務所はギター置き場と化してしまった。

私がはまった骨董とは「古伊万里」のことだ。
とはいっても、そんなに高級なものは買えるわけがないので、普段使いできるようなレベルのものである。コレクションと言うよりは普段の食卓や酒器がちょっといい感じになれば・・・という感じだ。
これは淡交社という出版社からでた「暮らしの骨董入門」という中島誠之助氏の本をデザインしたことがきっかけだった。
暇があると骨董屋をのぞき、ネットのオークションで手頃なものを物色し、骨董市にもあしげく通った。
おかげで事務所の台所は古伊万里だらけとなった。

さらにカメラ。
これは仕事でも使う。と、いうのをいいわけにこれもネットオークションや中古カメラ店でかつての名機をあさった。仕事ではデジタルに移行しはじめた頃だったのでそれも格好のいいわけとなり、デジタルカメラやらフィルムカメラがどんどん増えてこれまた置き場所に困ることとなった。

仕事はといえば、相変わらずの筒いっぱい状態が続いていた。
今から思えばそんな状態で数字が上がる訳がない。それ以上がんばろうにもキャパがなければどうにもならないわけで、根本的に考え方を変える時期が来ていることを感じた。
まずはキャパの確保。外注に頼るのをきっぱりやめた。
やはりデザインというものは目の届くところで仕事をしなければろくなことはないこともわかっていたので、移行はスムーズにいけると思った。

しかしココで意外な落とし穴。
人が見つからない。ハローワークはあまりにも決めごとが多く、デザイン事務所の求人など現実的には不可能に近い。有料の求人誌にも出したがまったく反応なし。
デザイン業界は慢性的な不況なので経験者などいくらでもいると思っていたが、これが大きな誤算だった。
ようやく見つけて採用した経験者も半年も経たないうちに病気のため退社、その後はまったく経験者の応募はなかった。いや、あっても50を超えた男性やほとんど新卒と変わらない人材ばかりだった。

いつまでも待っていられないので路線を変更し、新卒1名とほとんど経験はないがアパレルの勉強をしていた女性をなんとか採用し、久しぶりに5人の体制に戻った。
これ以降ずっと経験者の採用には苦労している。

物事というものは連鎖を呼ぶもので、少しでも前向きの行動を起こすと、いろいろな面で前向きなことがわき上がるように起こってくる。このことは25年近く商売をやってはじめてわかったことだ。
少しずつだが、なんとなくヒントが見えだした気がした。
1つの問題を解決すると次に解決すべき問題がはっきりと見えてくる。
1つも問題を解決しないと、いつまで経っても何から解決していいのかわからない。
階段を1段上ると元の位置よりも少し景色が変わる。2段3段と徐々に上ってゆくとさらに景色が変わる。さらに1段づつ上るとその位置からでないと見えなかったものが見えたり、下の段にいたときに見ていたものが違って見えたりする。
きっとビジネスはそういうものだ。
そのことに気がついたのが遅かったのか早かったのかはわからないが、とりあえずヒントのようなものが見えたのだ。

そしてそこからは徐々にではあるが事務所として前進しているのが確信できた。
引っ越しを契機に私自身も殻を破れたような気がした。

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