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25周年に回想 5 

ついに25周年を迎えた。
この回想も終盤になってきた。
西大路五条の事務所では順調に業績も伸び、事務所としての仕事の幅もさらに広がっていた。

最も大きなことは、「ものづくり」の難しさやうまくいったときの喜びを知ったことだ。
もともとグラフィックデザインというものは、だいたいの場合「ものづくり」の様々な過程の中の1セクションでしかない。
たとえば、そのものの商品企画はAさんが担当し、パッケージデザインはBさんがデザインし、カタログやちらし、ポスターはCさんが受け持つ、そして展示会のディスプレイや店頭のPOPはDさんが・・・・と、いうのが普通だ。
しかし、このやり方ではたして最初の商品企画のコンセプトやものづくりに対する思いが、エンドユーザーにちゃんと届くのだろうか。
幸いうちの事務所ではブランドの立ち上げから商品企画、そしてそのあとにつながる様々さツールのデザインまで広い範囲の仕事をいただいている。
ただ、それでも最初のコンセプト作りからすべての過程を続けて受け持っている事例はそうそうない。
もちろんそれには生産背景や印刷会社の都合、先方の仕入れ環境、そして何よりうちの能力など様々な障害があって、なかなか一気通貫で最初から最後までを任せてもらえるわけではないからだ。

しかし、もしそれがもっとたくさんの事例で実現できたら・・・。
それはうちの事務所にとってどこにも負けない大きな武器になると思うようになった。

もちろんメーカーサイドはその道のプロであるわけなので、それと同じレベルでというのはなかなか難しい。ただ、今以上にもっと先方のものづくりに踏み込んで、先方の人たちと同じ目線に近づいたり、思いを理解しようとすれば、その後に続いてくる様々なセクションのデザインは実にスムーズに進むのではないかと考えた。

そういう意味で、西大路五条の事務所では
●手芸メーカーの様々なデザインや企画
●ゴルフブランドの企画・デザイン
●宗教関係品メーカーの様々なデザイン
●アパレルメーカーのブランディング
など、理想の作業フローを実現できそうな仕事に巡り会えた。

スタッフの入れ替わりや慢性的なデザイン不況に悩まされながらも、この西大路五条の事務所にいた5年間は私にとって事務所運営の道が見えかかった貴重な時間であったように思う。

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