デザイン事務所にはまた大きな波が
様々な工業製品が中国をはじめ海外の安い労働力のもと、どんどんコストダウンをはかり、競争が激化しているのはご承知の通り。
デザイン界にもついにそういう波が押し寄せている。
最も顕著なのは、カタログなど何百ページもある制作物。
機械的にレイアウトしていけるこういうたぐいの仕事は、どんどん中国などに振り分けられている。
もちろん、いくら機械的にレイアウトできるからといって日本語のわからないところで完璧なものができるわけもなく、様々な問題が起こっているが、それとて時間が解決してくれる程度の問題だ。
車やコンピュータなどの精密なものでも組み立てられるようになるのだから、カタログのレイアウトなんて簡単なものだ。
そういうことが今後ますますすすんでくることは火を見るより明らかだし、実際上海や北京には日本からデザイン会社が進出している例もある。
そうなると国内で今までそういう仕事をこなしてきた事務所は一気に仕事がなくなることになる。
そのうちいくつかは当然廃業や倒産ということになるが、がんばって生き残ろうとするところはそれ以外の仕事をとりに行くことになる。
しかも、その手の事務所はだいたい人数を必要とするのでデザイン事務所としては規模の大きいところが多い。
そうすると人数の力や価格でそういうところに仕事を取られる事務所が出てくるので、価格競争がさらに激しくなり、淘汰がすすむこととなる。
デザインの場合、価格競争は必ずデザインの低レベルかを伴うので、レベルの低い安い仕事を追いかける事務所と、そういう流れに左右されないしっかりした仕事でそれなりのフィーをもらう会社の差がますます激しくなる。
私はこの流れがデザイン事務所の第5の波ではないかと思っている。
1つ目の波は世の中でデザイン事務所というものが一般的にビジネスとして認知された時代。
2つ目は写植や紙焼き、インスタントレタリング、クロマティックなどそれまで手描き一辺倒だった仕事に機械や新しい技術が入り込んだこと。
3つ目は今までで最も大きな波だといえる作業のデジタル化。
4つ目はインターネットによる作業フローの変化やWEBデザインの出現
そして今回の5つ目が、海外制作によるコストダウンの影響で国内事務所の淘汰がさらにすすむ、
ということだ。
海外での制作はもうすでに何年か前からはじまっているが、ようやく実際にビジネスになってきているようなので、間違いなくこの波はやってくるのだ。
さあ、ここで国内の事務所はどうする?
こういう問題はなにも繊維関係や農作物に限ったことではないんだよ。
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