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26年が過ぎ、27年目が始まる 7 

MACがデザインという仕事に浸透するまでに長い時間がかかったことにはデザインの業種毎にいくつかの理由があった。
まずグラフィックデザインの現場では最も賛否両論激しい意見のぶつかり合いがあった。
●日本語に弱い。
これはMACが普及するのに最も大きな問題となったことだ。なにしろ漢字の変換が鈍くさい。当時ワープロソフトと言えば日本中が一太郎と相場が決まっていたが、その変換能力とは月とすっぽんと言うほかなかった。しかも、日本語のフォントがあまりにも少なかった。当時は写植全盛の時代であったが、そのフォントは日本語だけでもファミリーを含めれば何百とあったが、MACには2つしかなかった。
●デザインがいかにもコンピュータでやりました、という感じになってしまう。
これはMACの問題と言うより使う側の問題である。しかし、当時の反対派はここに最も固執した。
●版下にするすべがない。
当時はもちろんデータを渡せば印刷できるなどという時代ではなかったため、いくらデザインをMACで仕上げても、結局は版下というアナログな方法に戻さなければいけなかった。
●画像が実質扱えない。
理論的には画像も扱えるものではあったが、実際当時のマシンスペックでは到底実用的でなかったし、Photoshopというソフトも一般的ではなかった。

次にファッション界。
●コンピュータになじみがない。
グラフィックデザイナーでもそうであるが、もともとデザイナーになる人種というのは文系の最も端っこに位置するものなので、コンピュータなどと言う超理系な代物には極度のアレルギーがあった。
●デザイン画は手で描くものという固定概念
これはグラフィックデザインで上げた二つ目と同じように反対派が最も固執した点だ。

最後にプロダクトデザイン。
●CADなど生産ラインと直結したソフトがなかった。
産業界でのスタンダードは、当時まだMS-DOSであったし、Windowsすら一般的でなかったので、MACの出る幕など当然無かった。

そしてすべてのジャンルにいえることが
●価格が高すぎる。
前にも書いたが、1セットそろえるとちょっとした車が買える金額であったので、もともと小規模のデザイン会社では元を取ることができないと思われた。大人数の印刷会社のデザイン室などではそれなりの台数をそろえるのに莫大な費用がかかる上、ノウハウの蓄積にかかる時間が敬遠されるもととなった。
そしてもう一つ重要なこと
●出力の環境が十分でなかった。
これは最も大きな問題であった。せっかく画面の中でデザインを制作しても出力の方法が限定されていた。
A4サイズのレーザープリンタか、カラーの場合はインクリボンを使ったQMSというあまりにも原始的なものしかなかった。しかもそんな機械は高くて手が出ないので当然出力サービスと言うことになるが、その出力サービスすら巷に存在していなかった。

これほどたくさんの欠点は私も当然把握していた。
しかし、それでも私にはこのMACという魔法の箱がいつかデザインというものを変えるという確信があった。

その理由は至ってシンプルであった。
銀行の窓口がATMになったり、電話が携帯になったり、駅の改札が自動改札になってきたように作業というものは必ず先進技術によって効率化されてゆく。現にデザイン界だって活字や手描きが写植やトレスコ、スクリーントーン、インスタントレタリングなどに進化してきた。当然その先があるはずで、現状で満足しているデザイナーでは先はない。
と、思ったからだ。

当時、私の事務所は駆け出しであったためまったく無名だったので、周りが躊躇しているうちにこの魔法の箱で一気に京都のデザイン界の先行集団に入ろうと思った。

しかし、その時点で私には大きな3つの問題を解決する必要があった。
一つは資金的なこと。
そして二つ目は、この高価な機械でどうすれば採算がとれるか。
最後に3つ目は、この難解な魔法の箱を誰が操作するか、ということだった。

つづく

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