小学校からの英語教育は必要か?
教育要綱の見直しが新聞紙面をにぎわせていますが、これにはいささか疑問がわいてきます。私はその中でも小学校からの英語教育実施に関する提言が最も気になっています。
まず一番に思うのが、そこまで英語が重要か・・・、ということです。
確かに戦後の日本は、欧米の影響を受けて発展してきました。しかしそれは、もう一昔前のこと。だいいち日本の周りの韓国や中国では当然その国々の言葉がありますし、これからの時代はそれらの国々との交流がうんと増えるはずです。ビジネスや観光でも今より頻繁に行き来することになるでしょう。
別に英語が必要ないといっているわけではありません。確かに欧米の人々と意思疎通のできることは素晴らしいことですが、みんながみんなそれを望んでいるわけもなく、英語をたくさん学ぶことで逆におざなりにされる教科があるはずです。英語よりも他の学問をもっと学びたいと思っている人も多いはずですから、今のようにある程度の年齢で本人の意志によって英語を深く学びたい人はもっと学べばよいし、そこそこでいいと思う人はそれなりに学べば十分だと思うのですが。
私は英語は話せませんが一切不便はありませんし、仕事上困ったこともありません。
最も無駄だな・・・、と思うのは、たかが海外旅行に行く程度のことで英会話教室へ通って何十万円も使うことです。それだけ払ったからといって簡単にぺらぺらと話せるわけもなく、ましてや普段話す場面もそんなにあるわけではありませんから話せるようになるはずがありません。
ビジネスや国際結婚は別として、たまに外国人と接する機会がある程度ならかえって英語を話せない方が深く相手を見ることができるような気もします。言葉が通じない相手と意思疎通を取るために、身振り手振りや表情の変化を注意深く見つめることがより相手を理解できるような気がします。
何かそういった相手を理解しようと一生懸命になることこそが、国際交流の礎ではないのかなと思えてなりません。
ですから、なまじっか英語を話せるようになった気になって外国人とぺらぺら話す人を増やすような教育はいかがなものでしょうか。
だいいち今の小学生が大人になる頃には瞬時に自分の気持ちを相手に伝えることができる立派な翻訳機がお小遣い程度で買える時代になっているはずです。
ですから、くれぐれも身に付かない英語のために何十万も払うことだけはやめましょう。英語のために他の学問をおざなりにしたりするのはもってのほかです。
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